2018/3/19(月)くもり
【旅のきっかけ】ジパングクラブの有効期間がもうすぐ切れるということで、妻と旅に出ることにした。4月まで有効だが、こちらも忙しいし、たぶんどこも人でいっぱいだろう。特に日光など想像するだけでもおぞましい。ということで、一番旅行に向いていないであろうこの時期を選んだ。シーズンオフの景色を撮ることをテーマに。
米原発午前8時57分のひかり512号。午前11時10分にはもう東京。12時初のやまびこ137号で宇都宮が午後0時49分。東北新幹線は、初めて利用した。そこでJR日光線で日光へ。栃木県には初めて入った。土の色が黒く、のどかな景色が広がる。梅が満開。乗車すること47分、午後1時53分に日光駅到着。
【レンタカーでプチドライブ】
予約してあったトヨタレンタカーで、華厳の滝と中禅寺湖を目指した。
ガイドブックなどの地図で見ると、日光市中心部から華厳の滝までは、直線距離で10キロぐらいだと思っていた。もう少し詳しい地図を見れば、途中に「いろは坂」なる難所がある。そういえば、聞いたことがあるような。下り専用の第一いろは坂と上り専用の第二いろは坂の二つの坂を合計すると48か所もの急カーブがあることから「いろは48文字」にたとえてこの名がついたそうだ。カーブごとに「い」「ろ」「は」・・・の看板が表示される急坂が続き、標高差は440m。第二いろは坂途中の明智平展望台(1373m)からの眺めは抜群で、第一いろは坂を望むこともできる。伊吹山が1377mなので、それに匹敵する高さだ。 ちなみに、東武日光駅前に標高を表す看板が設置されていて、東武日光駅前の標高は543m。日光東照宮周辺の標高は634mでスカイツリーとほぼ同じ高さになり、さらにその高さを2倍すると中禅寺湖の標高1,269 mになるということだ。
【華厳の滝でエイリアンに遭遇】
華厳の滝を見るためには、入場料550円を払って、エレベータに乗らなければならない。100m下ったところに展望台があり、そこから真正面に滝が一望できる。エレベータが設置されるまでは、歩いてだったろうから、大変だ。雪は若干残っているが、がけの植物は茶色で、この天気だと美しさにはほど遠い。それでも毎秒1トンという水量で落ちる滝は壮観だ。滝壺の前にある岩の上の雪を望遠ズームで除くと、顔のようなものが見えた。まさしくエイリアンの顔だ。これはこの時期に訪れたものだけが見える景観。ちょっと得した気分になった。しばらく撮影していたら、寒さで手がかじかんできた。
滝のあと、車で移動するともう中禅寺湖。さすがに人影はほとんどなかった。それでも、足こぎボートの白鳥が一艘、湖面を泳いでいた。周囲長は約25㎞。最大水深163m。およそ2万年前に男体山の噴火でできた堰止め湖だそうだ。道路は、北東側に数㎞接するだけで、陸路で一周することはできないようだ。遊覧船もあるようだが、冬は休業、4月中旬からの営業だそうだ。
帰路は第一いろは坂を経由して、日光市に向かう。途中、雑木林で撮影。日光市内に渋滞があるというナビの情報が入ったので気になったが、着いてみると特にその様子は見受けられなかった。何だったのだろう。午後5時半ごろにレンタカーを返却。宿からの迎えの車を待った。その時間に、車を借りにきた夫婦がいた。午後8時までの3時間のレンタルをするようだ。3時間でどこをドライブするのだろう?
【ホテル清晃苑】
ホテルのホームページより |
入浴は、大浴場を選んだ。というのは、普通は露天風呂は大浴場に付属しているものだが、ここは別個の存在である。つまり、それぞれに脱衣所があり、いったん着替えないと入れないということなのだ。妻は、何度も風呂に入るので、両方を体験したが、私は朝風呂の習慣はない。 11時就寝。
2018/3/20(火) 雨
【雨の東照宮】天気は、予報どおり、朝から雨。 朝食は午前7時、ロビー横のレストラン。和食で、すでにセットされていた。夕食ほどではないが、十分すぎる量と質の朝食であった。味付けのりは3枚だった。ちょっと残念。 この日は、この旅行のメインイベントである東照宮だ。ネットで日光には専門のガイドがいるということで、効率よく回るにはいいのではないかと思い、あらかじめ予約しておいた。日光殿堂案内協同組合というのがそれだ。何人のグループであろうと、基本6000円で、2時間ほど案内してくれるというもの。いったんホテルをチェックアウトし、荷物を預かってもらい、午前9時半に、勝道上人像の前で待ち合わせ。体格のよい青年が来て待っていた。要所要所で説明があり、拝観のポイントや由来の説明も的確で、ガイドをお願いして良かった。雨がひどいので、思うような写真は撮れなかった。それに、シーズンオフを狙ってきたにもかかわらず、人出は相当なものであった。さすが日光東照宮ということを改めて認識させられた。ハイシーズンは紅葉の時だそうだが、どれほど多くの人が来るか想像を絶する思いがした。
サルの彫刻は、思ったよりも大きかったのが印象的だ。やっぱり実際に見ないと分からないものだ。本地堂の鳴竜は有名だが、その現象よりも、説明するお坊さん(?)の流ちょうな英語に感動した。時代を反映している。昔は見物人がかって勝手に手をたたいて龍を鳴かせたようだが、今は説明人が拍子木を打ってその音をだしてくれる。見物人は手をたたいてはいけないのである。東照宮が作られる前に、日光山輪王寺と二荒山神社というお寺と神社が奈良時代から存在していたことを今回初めて知った。すべてを見るには一泊では足らないのであった。ゆっくり見るのであれば、鬼怒川温泉に宿泊して通うということも考えられる。
輪王寺を開いた勝道上人像 |
輪王寺は改築中 |
【日光から東京へ】
11時半ごろホテルのマイクロバスで駅へ移動した。昼食をどこで撮ろうかとスマホで探ると、近くにうどん屋さんが見つかった。行ってみるとそこは地元の人が利用するような店であった。駅前のホテルの従業員だとおぼしき人がいた。玉子うどんを食べた。おいしかった。雨が少し小ぶりになってきたので、土産物店を少し回って、2時過ぎの電車で東京に向かった。宇都宮までの電車の車両には33人の乗客がいたが、その3分の1は外国人旅行者であった。
うどん屋の内部 |
東部日光駅 |
東京の宿泊は、御茶ノ水の東京ガーデンパレス。御茶ノ水駅はエレベータもエスカレータも無い駅だが、少し前からバリヤフリー工事が始まっていた。なかなかの大工事のようで、完成までには少しかかりそうである(HPによれば完成は2020年3月31日の予定)。
2018/3/21(水)雨
はとバスの旅
【ツアーの仲間たち】
今日も予報どおりの雨。午前6時半に起床。午前7時にレストランでバッフェスタイルの朝食。和洋両方があるが、和食の方が充実しているのはいつものことである。選んだのは普段通りのパン食。しかし、海苔はいただいた。日光のホテルの海苔は3枚だったが、こちらは4枚だった。サラダと一緒に食べた。
さて、今日ははとバスツアーである。選んだのは、「東京スカイツリーと柴又・ぶらり都電の旅」である。この日ぐらいから、桜見物のツアーが数多く組まれているが、ちょっと早いと思い、このツアーを選んだ。乗客は21名。8人連れの家族(大人4人、子ども4人)。5人連れの年配のグループ(仙台出身の同級生のようだ)。あとは、中高年の夫婦連れ(わたしたちを含めて4組)。道中、よくしゃべるのは8人連れの家族の親たち。バスガイドは、車内のマナーとして、携帯のほか、大声の会話は迷惑になるのでお控えくださいという趣旨の注意を2度3度くり返していた。地声の大きな人は、小声で話すのがなかなかできないようだ。それでも、後半は眠っているのか静かになった。
【スカイツリー】
スカイツリーは、2014年12月にはとバスツアーで回っている。その時は、これ以上無いというぐらいの快晴で、富士山もくっきり見ることができた。東京に何年も住んでいる娘も息子も、まだ登ったことはないというスカイツリーに2度も入場することになる。ツアーの目的は柴又がメイン。こんな天気でも大勢の人が来ていた。多くは団体客のようだ。たぶん、個人ならこんな日は来ないだろう。
【寅さんワールドへ】
葛飾までは45分ほどのドライブで着いた。ちょうど12時で、江戸川近くの「割烹川甚」で和食弁当の昼食。次の自由時間は食事の時間も含めて80分なので、食事が終わるとすぐに散策に出た。まずは、柴又帝釈天(題経寺)へ。ここは日蓮宗の寺。敬意を表して靴を脱いで本堂に上がったら、奥へどうぞと言われた。坊さんがお経のような祝詞のようなのを唱えている奥にひと組の夫婦が畏まっていた。祈祷をしてもらっているらしい。その後ろをぐるっと一周した。あとで聞けば、この日は特別だったらしい。靴をぬいだときに、みざらの上がぬれていて、靴下が湿ってしまった。ストーブで少し乾かせてもらった。
時間がないので、急いで商店街へ移動。店をひやかしたいところだが、雨が強く、傘を手放すこともできず、写真も撮りたいという状況なので、どっちつかずになってしまった。雨でなければおもしろい写真が撮れそうな雰囲気の商店街であった。こじんまりした商店街で、まもなく柴又駅前(京成金町線)に出た。そこには寅さんとそれを見送るさくらの等身大の銅像が建てられていた。さくらの銅像の台座には、山田洋次監督と倍賞千恵子のサインがあるということで探してみると、白いペイントマーカーで書かれたサインらしきものが見えた。残念ながら数ヵ月すれば消えて無くなってしまうだろう。せっかくならもう少し別の形でサインをしてもらえば良かったのに。例えば、生乾きのセメントに手形とサインを残すとか。
数枚写真を撮って、「寅さん記念館/山田洋次ミュージアム」へ急いだ。住宅街を抜けようとしたら、まっすぐな道でなく、方向が分からなくなった。スマホのナビを頼りにようやくたどり着いた。入場料は400円ということだったが、自販機。横に立っていたおじさんが、65歳以上だったら割引料金という。免許証を出そうとしたら、「何年うまれだ」と聞くので「昭和24年だ」と答えると、しばらく考えてOKだと言ってくれたそれで、50円の節約になった。なかなか親切な確認方法だ。中は、「男はつらいよ」シリーズの写真パネルや映像、とらやや印刷工場を再現したもの、商店街のかなり大きな模型やジオラマが展示してあり、ファンにはたまらない雰囲気を出していた。残念ながら時間切れで山田洋次ミュージアムまで見る時間はなかった。訪れる機会はあるだろうか。
【懐かしの都電乗車体験と巣鴨】
バスへ戻ると、集合時間少し前。雨は相変わらず降っていた。このあとは、都電荒川線の乗車体験。 乗車した梶原駅で、約10分の電車旅。庚申塚駅で下車。目の前が、「巣鴨地蔵通り商店街」だ。とげぬき地蔵尊の高岩寺の門前町のようだ。なお雨脚が強く、ウインドウショッピングもままならない。高岩寺は、あっけらかんとした普通のお寺で、それほど魅力はなかった。気温がさらに下がって、手がしびれてきた。たまらず、集合時間よりも15分も早くバスにもどった。これが本日の最後の見学場所であった。帰りの車窓から桜が咲き始めているようすが見えた。そういえば、柴又からこちらに来る途中で、「飛鳥山公園」があった。桜が咲き始めていた。来年は桜を見に来ようか。
子どもたちとの夕食会
東京駅に戻ったのは4時ごろで、予定よりも30分早い。春分の日の休日だったが、雨天のおかげで渋滞も少なかったようだ。東京駅のみどりの窓口で、明日の帰りの新幹線の指定席をとった。11時33分初のひかり。
息子たちとの待ち合わせは午後6時半だが、新橋駅は初めてなので、とにかく予約の店(豚しゃぶの羅豚はなれ銀座店)を見つけるために出かけた。そういえば、新橋は鉄道のはじまりの駅だ。最近、ネットニュースで羽田空港へのモノレールがなぜ新橋駅ではなく浜松町駅になったかということが話題になっていた。
羅豚はなれは、スマホのナビのおかげですぐに見つかった。途中、何やら騒がしいと思ったら、中国人観光客と思われる人たちの群れだった。時間を潰そうと、星乃珈琲店という看板が見えたので、入ってみるとレジ前に10人ほどの人がたまっていた。どうしようかためらったが、妻はかまわず入っていき、順番待ちの名簿に名前を書いていた。行列や順番待ちの苦手な私は、こういう場合一人だったらまず入らないだろう。15分ぐらいたっただろうか、以外に早く順番が回ってきた。どうやらここにも中国人観光客が来ていたようだ。妻が店員にそのことを聞くと、夕方のこの時間帯はバス待ちの彼らが大勢来るのでこういうことになるようで、普通は待たずにすぐに席に着けるということだ。
さて、集合時間の少し前にしゃぶしゃぶ店に入った。最初に次男の嫁が来て、ついで次男が出張先の横浜から少し遅れて来た。最後に長女夫婦。この店は休日は食べ放題のメニューのみとのこと。最初に、だしの入った鍋に大量の刻みネギが投入され、そこでしゃぶしゃぶをして食べるということだ。最後のしめはそば。これはうまかった。娘夫婦は昨年の10月に結婚して、新婚旅行は来月ハワイに行くとのこと。すると次男夫婦もハワイに行くという。時期は重ならずに少しずれるが、それぞれたまたまそういうことになったという。結構なことだ。(日光に行ってから初めて使う「結構」という言葉)。腹一杯豚を食べた。といっても一回お替わりをした程度。
店を出たときにはようやく雨が上がっていた。
2018/3/22(木) くもり
【東京駅で弁当を買う苦労】
9時過ぎにチェックアウトし、東京駅へ。10時前に東京駅に着いて、帰りの弁当を買うことにした。少し時間があるので、東京駅の探検をすることにした。これまでは工事中のことが多かったので、どうも全体の構造がわからないまま、いつも迷っていた。現在は工事はすべておわっていたので、すっきりしている。うろうろしているうちに突然、東京駅の全体図が分かってきた。ああ、こういうことだ。次に来るときはもう迷わないだろう。
日本一の弁当売り場という評判の大丸東京店「ほっぺタウン」。本当にたくさんの店があり、その弁当の種類も多いので目移りしてしまう。選択肢が多いのはありがたいが、最後にはやけくそになってしまう。
乗り込んだひかり号は東京駅ではそれほど乗らず、品川でほぼ席が埋まった。半数以上は外国人のように見えた。富士山は残念ながら見えなかった。
それにしても新幹線は速い。ようやくうとうとしていたら、もう名古屋。次は岐阜羽島。ここまで来たらもう眠ってはいけない。子どものころ乗った特急つばめ号の乗っている時間にひかり号は3往復ぐらいしてしまうだろう。
雨に降られた旅だった。
0 件のコメント:
コメントを投稿