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2024年11月5日火曜日
東北大周遊4日間 一日目 (11月5日火曜日)
思い起こせば、8月3日の新聞広告で、「6県10景東北大周遊4日間」という旅を見つけ、行ってみようかと申し込んだのが始まりだった。あまり行ったことのない東北に行けるし、6つも一度の旅で巡れるのはいいではないかと深く考えずに応募したのだった。しかし、旅行直前になって、その6県10景を地図で確かめてみたら、ぞっとした。とんでもない大旅行ではないか。もうそのときには、無料キャンセルの時期をとうに過ぎていた。覚悟を決めて行くことにした。
その日程表がこれだ。
初日、自宅を6時に車で出発。彦根駅の駐車場に車を置いて、京都を目指した。駐車場でちょっとしたハプニング。なんと入り口の発券機が故障していて、バーが上がったままだったのだ。4日間駐車するのだが、帰ってきたとき券が無いとどういうことになるのか。そこは不安を残したまま、予定どおり、新快速で京都へ。定刻どおり京都に到着。駅で弁当を購入。
サンダーバード5号の11号車を目指した。しかし、初めて乗るサンダーバード。0番線に来たものの、11号車の表示がなかなか見つからないのだ。しかも捜しているとき、またしてもハプニング。ホームでうずくまる女子高校生がいて、とても苦しそうにしていた。到着した電車の運転士がそれを見つけ、駅員を呼びなんとかなったのでほっとした。10号車と12号車の表示を見つけたので、その間に違いないと、上を見ると、11号車の表示を見つけた。それは、ホームの一番狭いところの上にかけられており、時間的に逆光でとても見つけにくいものであった。ツアーの参加者とおぼしき人たちが右往左往していた。足もとに書いてあれば見つけやすいと思った。
サンダーバード5号は、10分遅れでやってきた。なんでも他の駅で急病人が出たので、全体が遅れているとかいうことであった。敦賀駅の乗り継ぎには影響のない遅れだったので、心配はなかった。それにしてもいろいろハプニングが起こるものだ。旅の始まりなので、ちょっと心配ではあった。
サンダーバードは、湖西線を通るので湖東の住民には縁のない電車。雷鳥時代から含めて、乗車は初めてであった。683系と呼ばれる車両で、古いものは2001年で新しいもので2011年に製造なので、今となってはかなり古くなっている。ありがたい。車内に今回参加するメンバーらしき人たちがいた。我々夫婦のとなりに一人参加の女性がいた。京都駅から乗り込んだメンバーも相当数いた。車内で、添乗員のM氏が連絡をしつつ挨拶にきた。「錦野旦(にしきの あきら)」似の好青年であった。
敦賀駅には約5分の遅れで到着した。
敦賀駅2階の改札前でいったん解散。セブン11があるので、ここで弁当を買ってもよかったのだが、それほど種類はないので、京都駅で買うのが正解。9時45分に再集合し、そろって3階の新幹線ホームへ。再集合したときの、M氏のことばが面白かった。
「連絡したいことがあるので、代表の方、もしくは、しっかりされているほうの方が前の方に来てください」
言い得て妙、とはこのことだ。みなさんの動きを見ていると、だいたいその呼びかけどおりに代表か、しっかりしているほうの人が前へと移動していた。
初めての北陸新幹線はあっという間の乗車で、上越妙高駅にちょうど正午に着いた。弁当は、車内で食べた。
この駅を起点に今回のバスツアーが始まるのだ。
バスは、新潟の日本海バス。運転手は、小日向文世に似たベテラン。新人運転手の教育係もになっているそうだ。バスガイドもとても慣れている感じ。多くのデータ(人名、山の名前と高さなど)が頭に入っているらしい。次々と話が途切れず続く。
改めてこの旅の過酷さを認識したのは、一日の走行距離は300km以上。4日間のトータルは、1,300kmに及ぶという説明を聞いたときだった。休憩は、1時間半から2時間に1度ということ。
早速、その過酷さを思い知ったのは、出発してから1時間ぐらい経ったころ。少しずつ尿意が来た。次のトイレ休憩は、黒埼PAというアナウンス。地図アプリで調べるとまだ30分以上かかるようす。そのとき、栄PAまで10分という標識が目に入ったので、恥を忍んで添乗員のM氏にトイレ休憩のお願いをした。恥ずかしながら、失禁するわけには行かない。どうやら敦賀駅で購入したオレンジジュースを飲んだのがいけなかったようだ。
しかし、他にも我慢をしていた人がいたようで、栄PAでトイレに駆け込む仲間がたくさんあった。
車窓からは、田んぼに白鳥が見られた。それも相当な数である。湖北に来る白鳥をはるかにしのぐ数と見えた。
やがて、この日訪れる唯一の観光地、「千年鮭きっかわ(鮭の町村上の老舗名店で伝統に触れる)」に着いた。どれほどすごい店かと、HPを見て想像していたのだが、干してある鮭の数は割と少なかった。いろいろな製品を売っていたが、旅の始まりなので買う気にはならなかった。時間も時間なので、町の風景を撮影するにも中途半端な光加減であった。バスは村上市役所に駐車しており、トイレは市役所庁舎内のトイレが観光客用に開放されていた。その割には、ロビーに観光用のパンフは見当たらなかった。
この日の宿は、あつみ温泉。漢字で書くと、「温海温泉」。意外と難読なので、ひらがなで標記するようになったとか。熱海温泉は有名なので、みんなちゃんと読むが、よく見れば、こちらの方が「あつみ」温泉で、温海温泉の方が「あたみ」温泉としたほうが、よいのではないか。
ホテルは、「高見屋別邸 久遠」で温泉街のはずれに位置していた。バスガイドによれば、温泉街には飲泉場があるので、おすすめだという。早速出かけてみたが、結構遠い。もう日が暮れているので、人通りもほとんどなく、さびしい温泉街の真ん中にそれはあった。コップがおいてあるとのことだったが、実際には何もなく、手ですくうしかなかった。湯の温度はけっこう高く、それほどたくさん手に受けるわけにはいかなかった。なめる程度。確かに塩泉。胃腸によいというので、飲んでみた。他にも来る人がいるかとおもっていたのだが、結局そこへ行ったのは我々だけだった。
夕食は宴会場で決められた食事。目玉は、タイのかぶと揚げ。なかなか食べ甲斐があった。給仕してくれたのはネパール人の青年。もう6年も日本で働いているという。日本語は達者であった。ながい一日が終わった。
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